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語句・文法・漢字―国語の基礎知識整備(6) 「対義語と同義語」「上位語と下位語」

 こんにちは! スタディ・ラボ代表の冴本(さえもと)です。

 国語の基礎知識、これは文章読解や記述などの「文章題」に対置される形で、一般に「語句」と呼ばれる範囲と重なりますが、国語の基礎知識と一口に言っても、細かく見ると、①漢字にまつわる知識、②狭い意味での語句(語彙の充実)に関する知識、③文法にまつわる知識、④文学史や二十四節気といった、国語を学ぶ上で知っておくべき知識とに分かれます。また、ここで言う国語の基礎知識とは別に、文章題を読み取る上で必要となるテクニカルターム(術語)として、「主題」「要旨」といった言葉の定義が、また、文章読解の手段として、あるいは付随するものとして「詩の分類」や「表現技法」「細部表現」といったものの内容を覚えておくことが必要になります。

 中学入試のどの科目でもそうでしょうが、思考力のみならず、考えるための手段や土台となる、あるいはそれ自体記憶しておくべきこうした知識も普段の学習にきちんと組み込んでおく必要があります。暗記事項が不要とされる算数でも、最低限の約束事や暗黙の了解事項があります。また、算数の得意な子どもたちも新たな問題に臨むとき、何も材料のないところからスタートするわけでなく、これまで自分なりに体系化された経験知を適用していくのです。思考と知識といずれが大切なのかというような問題の立て方はナンセンスで、そもそも両者を截然と区別することさえ難しいといえましょう。思考力と知識は、中学入試という狭い場だけでなく、広く問題を解決するために欠かせない車の両輪なのですね。

 さて、国語の基礎知識の学び方についての6回目は、上に挙げた②狭義の語句編の最終回となります。前回の記事で、言葉には関係性の把握が有効である旨をお話ししましたが、たとえば子どもたちが、「腹案」という漢字の書き取り問題で、意味がわからずに、書けなかったとしましょう。その子が真面目な子で、振り返りの際に、きちんと辞書を引いて意味を調べてもういちど書き直すのなら、多分、その子は次回同じ問題が出たときに「フクアン」は書けることでしょう。では、もし、「議論の対立点をフクゾウなく話し合う」という問題が出たらどうでしょう? 「フク」ってどんな字?と悩んでしまうに相違ありません。
 ところが、漢字を離れて、慣用句を学ぶときに、「腹を立てる」「腹をさぐる」「腹を割る」といった場合に使われる「腹」ってどんな意味で使われているんだろう?と好奇心を持てば、そっか、昔の人は考えを腹に収めていると考えたんだな、だとすると、「フクゾウ」の「フク」も腹に関係あるのかもしれないな・・・といった推測ができるようになるはずです。

 普段、自分が子どもたちに語句を教える際も、ことわざであれば、同義と対義のことわざを探してみることや、ことわざという範囲を超えて、二字・四字熟語に置き換えるとどうなるのかな、といった問題意識を持って、単元の垣根を横断して学ぶようにアドバイスしています。そうすると、たとえば語句を覚える際も、一つ一つの言葉を暗記するのではなく、けげん=いぶかしい=不思議、不意に=やにわに=突然、むしろ=どちらかといえば=かえって、後ろめたい=やましい、といった既知の言葉との結びつきが強固に形成され、自在に言葉を扱えるようになっていきます。

 語彙を増やすにはどうすればよいでしょう?というご相談を保護者の方からよく受けます。新しい言葉が出てくる度に、辞書に当たるというのも勿論、回答の一つなのですが、自分の知っている語句との「関係付け」を意識すること、これが大きな効果を持つことをお伝えしています。

 このような観点から、「対義語と同義語」「上位語と下位語」の単元は、それ自体が入試で問われるだけでなく、言葉のネットワークを設計し、構築するための入り口ともなる大切な単元といえましょう。

 それでは、拙著『学び方を変えれば国語はグングン伸びる!』から、言葉の関係性についての部分引用です(オリジナルは子ども向けに書いたものなので一部表記を変えてあります。原版では難読漢字にはルビが付されています)。



・ 第96講 「関係」を示すキーワード

 たとえば、「山」と「谷」、あるいは「魚」と「ウナギ」という言葉はどのような関係にあるのでしょうか。文章の中に出てきた言葉の内容や使われ方を考えるときには、その言葉自体の意味だけでなく、その言葉が他の言葉とどのような「関係」を持っているかを調べてみると、立体的で深い理解が得られますね。説明的文章で、筆者が対比(たいひ)や具体化(ぐたいか)あるいは抽象化(ちゅうしょうか)をするのも(第29講参照)、自由詩で、作者が「対句(ついく)」という表現技法を用いるのも(第50講参照)言葉と言葉の「関係」から生まれる効果を利用しているわけです。ここでは、文章読解のキーワードともなる、「関係」を示す語句として、「対義語(たいぎご)」と「同義語(どうぎご)(類義語(るいぎご))」、「上位語(じょういご)と下位語(かいご)」について整理しておきたいと思います。

1.「対義語」と「同義語(類義語)」
 対義語(たいぎご)というのはある語句と対立する意味を持った語句のことで、「おいしい」に対して「まずい」、「複雑(ふくざつ)」に対して「単純(たんじゅん)」を挙(あ)げることができます。ここで、「対立する意味」というのは「大きい」と「小さい」、「出発」と「到着(とうちゃく)」といった正反対(せいはんたい)の意味だけでなく、語句を対照(たいしょう)して考えることで、それぞれの言葉の持つ性質や特徴(とくちょう)がわかりやすくなるものを含(ふく)むことに注意をしてください。たとえば、「時間」と「空間」、「理性(りせい)」と「感情(かんじょう)(感性(かんせい))」のようなものも対義語として扱(あつか)われます。

 これに対して同義語(どうぎご)というのは、ある語句とほとんど同じ内容を表す語句のことで、「おいしい」と「うまい」、「不安」と「心配」などを挙(あ)げることができます。同義語に似(に)たものに「類義語(るいぎご)」というものがありますが、これはある語句と似たような意味を持つ語句のことで、たとえば「走る」と「かける」、「勉強」と「学習」、「大人」と「成人」といったものを挙(あ)げることができます。同義語に比べると、類義語には、言葉を使う「場面」によって、カバーすることのできる範囲(はんい)が違(ちが)ってくるという特徴(とくちょう)があります。たとえば、運動会という場面であれば「かける」でも「走る」でも意味はほとんど変わりませんが、お医者さんに体調の良くないことをうったえる場面では、「痛みが走る」とは言っても「痛みがかける」とは言いません。また、「車が走る」ならおかしくないけれど、「車がかける」だと違和感(いわかん)がありますね。

 対義語や同義語は、数多くの語句について考えられるので、ここで挙(あ)げつくすことはできませんが、中学入試で出題される対義語や同義語についての問題は、一応「約束事(やくそくごと)」として決まっているものがほとんどなので、一覧表(いちらんひょう)などを作って覚えてしまいましょう。

 ところで、対義語にも同義語にも「義」という漢字が使われていますが、これは「意味」という内容を持つ漢字です。つまり、対義語というのは、対立する「義(=意味)」を持つ語句、同義語というのは同じ「義(=意味)」を持つ語句ということなのですね。ちなみに、この「義」という漢字を用いる語句に「多義語(たぎご)」というものがあります。これは「関係」を示すものではなく、1つの言葉に多くの意味が割り当てられたもので、すでに第87講で学んだ「同訓(どうくん)異字(いじ)」がその良い例です。たとえば、「あげる」「うつす」「とく」「とる」といった語句を挙げることができます(広い意味での多義語)。学者によって多義語の定義(ていぎ)が異(こと)なっていることもあるので、中学入試のレベルでは、「同訓異字」の知識(ちしき)を手がかりに問題を考えていけばよいでしょう。狭(せま)い意味での多義語としては、「明るい」のように、まったく同じ漢字を用いる言葉に、①光が十分にある、②透(す)き通っている、③性格が前向きである、④ある物事にくわしい、などといくつかの意味が当てられるようなものがあります。また、「目」「口」「手」「山」といった名詞も多義語として使われます。さらに、「多義語」の「義」という漢字自体も多義語になっています。いくつくらいの意味があるのか、ぜひ辞書で調べてみてください。

☆参考<とくに整理しておきたい対義語(たいぎご)>
「一般」⇔「特殊」 「普通」⇔「特別」 「自然」⇔「人工」
「集合」⇔「解散」 「需要(じゅよう)」⇔「供給(きょうきゅう)」 「義務」⇔「権利」
「偶(ぐう)然(ぜん)」⇔「必(ひつ)然(ぜん)」 「理論」⇔「実践(じっせん)」 「時間」⇔「空間」
「故意(こい)」⇔「過(か)失(しつ)」 「運動」⇔「静止」 「許可」⇔「禁止」
「移動」⇔「固定」 「原因」⇔「結果」 「原則」⇔「例外」
「浪費(ろうひ)」=「節約(せつやく)」 「進行」=「停止」 「逆境(ぎゃっきょう)」=「順境(じゅんきょう)」

☆参考<とくに整理しておきたい同義語(どうぎご)>
「安全」=「無事」 「不安」=「心配」 「自然」=「天然」
「利点(美点(びてん))」=「長所」 「欠点」=「短所」
「理由」=「原因」 「手段」=「方法」 「有名」=「著名(ちょめい)」
「公平」=「平等」 「使命」=「任務」 「事前」=「未然」
「消息(しょうそく)」=「音信(おんしん)」 「簡単」=「容易(ようい)」 「知己(ちき)」=「知人」

☆参考<明治大学付属明治中学校 平成19年度 大設問二>
 漢字にはいろいろな意味があります。次の1~5の  部の漢字はそれぞれどのような意味で使われていますか。適するものをア~エの中から選び、記号で答えなさい。
1 ① 現地からの報道。 ② 書道の展覧会。
ア 通りみち  イ 専門の学問  ウ 言う  エ 人としての生き方
2 ①部下の意見。 ②遠足の下調べ。
ア おりる  イ 地位が低い  ウ 程度が低い  エ 前もって
3 ①特急の通過駅。 ② 過去の話。
ア 時がたつ  イ まちがい  ウ 通っていく  エ 度をこえる
4 ①一日十時間の重労働。 ②内容を重視する。
ア きびしい  イ おもい  ウ かさねる  エ 大切にする
5 ①天才と言われる。 ②天然記念物。
ア 空もよう  イ 自然  ウ 天皇  エ 生まれつきの


2.上位語(じょういご)と下位語(かいご)
 では、次に「上位語と下位語」についての説明に移ります。具体例から入った方がわかりやすいと思うので、いくつか例を示しますね。「ウナギ」は「魚」の下位語、「魚」は「動物」の下位語、「動物」は「生物」の下位語です。また、「動物」という言葉を飛び越(こ)えて「魚」は「生物」の下位語という言い方もできます。これに対して、「生物」は「動物」の上位語、「動物」は「魚」の上位語、「魚」は「ウナギ」の上位語です。また「魚」という言葉を飛び越えて「動物」は「ウナギ」の上位語という言い方もできます。ただし、「ウナギ」と「ヒラメ」はたがいに上位語の関係でも下位語の関係でもありません。どうでしょう? イメージがつかめてきましたか。
そうなんです、2つの言葉を比べて一方の言葉が他方を「包(つつ)み込む」場合に、「包み込む」方の言葉を「上位語」、「包まれる」言葉の方を「下位語」と呼ぶのです。上位語はより抽象的(ちゅうしょうてき)な語句、下位語はより具体的(ぐたいてき)な語句として考えることもできますね。ここで注意していただきたいのは、1つの言葉だけを取り出して上位語か下位語かを判断することはできないということです。たとえば、「魚」という言葉の場合、「サバ」という言葉と比べることで初めて「上位語」であることが、また「動物」という言葉と比べることで「下位語」であることが確定(かくてい)するわけですね。上位語と下位語の関係を考える場合には、問題に出てきた語句を、算数で学ぶベン図や樹形図(じゅけいず)の形で書いてみるとわかりやすくなると思いますよ。



 子どもたちは、今流行っている空想上の動物に関する情報でもゲームで使うカードでも、数が多くなってくると、それらを系統的に整理しようという気持ちに駆られるようです。もちろん例外はありますが、女の子のペンケースなんかを見ると、ラインマーカーなどの筆記具が色別、種類別に整然とした状態で収められています。多くの物があったら、それらを整理したくなるのは人間の本能なのかもしれません。
 ところがイメージしにくい「言葉」については、整理や分類の対象となりにくいのかもしれません。なかなか見えにくい自分の頭の中の言葉を整理するために、たとえば、物語文で使うような心情語や性格語を思いつくだけ書き出してみる。友達と、四字熟語をどれだけ書けるかを競ってみるといった、言葉の在庫整理をしてみると面白いでしょう。そうすると、書き出した語句をテストに出る頻度に従って自分なりに重要性を序列化したり、模範解答でふと目にした役立つ心情語を自分の持ち物リストに加えたくなるようなきっかけが得られるのではないかと思います。学校や塾ではなかなかできないことだと思いますので、家庭でそんな息抜きの学習時間を取り入れてみると良いかもしれません。

 次回から文法編に入ります。


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