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語句・文法・漢字―国語の基礎知識整備(2) 「部首・筆順・画数」「漢字のパズル系問題」

 こんにちは! スタディ・ラボ代表の冴本(さえもと)です。

 ご家庭の学習でも、また塾にいる間の空き時間にも、対象を単元ごとに切り分けて手軽に取り組みやすいのが語句分野です。前回から国語の基礎知識整備をテーマにした記事をアップしていますが、文章読解や記述問題の取り組み方についての記事よりも閲覧してくださる方の数が増えたのは、すぐに試して効果を実感できそうだと感じていただけたところにあったのではないかと分析しております。
 せっかくこのブログに目を通してくださる方が増えたのに長い時間お待たせするのは心苦しく、今回は、「漢字のパズル系問題」についての特集を組むことといたしました。次回からは、「ことわざ」や「熟語の組み立て」といった狭義の語句編に入ります。

 今回は触れておりませんが、ブログの過去記事の中には、漢字学習の心構え(正方形に収めることをイメージして2cm×2cmくらいのサイズで大きく書く)についてまとめたものもございます。お時間があるときにはぜひ、バックナンバーもご覧ください。特にリクエストがございましたら、新しい視点を加味して記事を書かせていただきますので、スタディ・ラボ宛のメールやコメント欄への記入をお願いいたします。お問い合わせやリクエストをいただいても、しつこいセールスなど一切いたしませんのでご安心ください。

 「部首・筆順・画数」といった分野は、たしかに中学入試国語の出題可能性から言えば低いところですが、かつて普連土学園中が、部首を素材とした漢字の成り立ちについての問題を、また、開成中が、漢字の「様」やカタカナの「ヲ」の筆画を問うています。合否がほんの数点で決まる入試問題では、こうした知識の有無が合否を決定付けてしまうこともあり得るのです。
 もっとも、何でもかんでも知識を詰め込んでしまうというのは、入試までに使える時間の優先順序なり学習効率から言えば得策ではなく、また、実際上無理な話であって、①語句分野について、問われる項目としてどのようなものがあるのかを押さえておく(そのためにはテキストや問題集などの「目次」がチェックリストになります)、その中で、②頻出の問題や注意すべき点を確認しておくことを心がけておいていただければよいでしょう。

 それでは、国語自習書である拙著『学び方を変えれば国語はグングン伸びる!』の中から、漢字にまつわる知識・応用問題についての部分引用です(オリジナルは子ども向けに書いたものなので一部表記を変えてあります。また、本ブログの書式ではコード上表現できない画像などは別の文言に置き換えました)。



・ 第85講 部首(ぶしゅ)の知識

 漢字にまつわる出題としては六書(りくしょ)よりもむしろ部首の知識の有無(うむ)が問われることの方が多いように思います。中学入試ではそれほど難しいものは出ませんが、漢和辞典や参考書などを使って、基本的な部首は覚えておいた方がよいかもしれません。部首の知識があると、漢和辞典を引くときにもスピードアップが図(はか)れますし、すでに挙(あ)げた六書(りくしょ)や次に挙げる画数(かくすう)や筆順(ひつじゅん)の問題を解くときにも役に立つからです。そして、部首を学ぶ方法としては、漢字のどの部分が部首となるのかに応じた「へん」「つくり」「かんむり」「あし」「たれ」「にょう」「かまえ」という以下の7種に分類して、その中で代表的なもの(よく耳にするもの)を覚えていくという方法がもっとも合理的だと思います。

1.「へん」は、漢字の左半分が部首となるもので、「冫(にすい)」「イ(にんべん)」「彳(ぎょうにんべん)」「氵(さんずい)」「忄(りっしんべん)」「阝(こざとへん)」「犭(けものへん)」「木(きへん)」「衤(ころもへん)」などがあります。

2.「つくり」漢字の右半分が部首となるもので、「刂(りっとう)」
「卩(ふしづくり)」「阝(おおざと)」「彡(さんづくり)」「尢(だいのまげあし)」「攵(ぼくにょう/のぶん)」「殳(るまた)」「隹(ふるとり)」「頁(おおがい)」などがあります。

3.「かんむり」は、漢字の上半分が部首となるもので、「亠(なべぶた)」
「冖(わかんむり)」「𠆢(ひとやね)」「宀(うかんむり)」「(耂おいかんむり/おいがしら)」「癶(はつがしら)」「穴(あなかんむり)」などがあります。

.「あし」は漢字の下半分が部首となるもので「儿(ひとあし)」「灬(れっか/れんが)」「心(したごころ)」などがあります。

.「たれ」は、漢字の上側と左側をおおう部分が部首となるもので、
「厂(がんだれ)」「广(まだれ)」「尸(しかばね)」「疒(やまいだれ)」などがあります。

.「にょう」は、漢字の左側と下側をおおう部分が部首となるもので、
「辶(しんにょう)」「廴(えんにょう)」「走(そうにょう)」などがあります。

7.「かまえ」は、漢字を囲(かこ)んでいる部分が部首となるもので、「凵(うけばこ)」「冂(どうがまえ/けいがまえ)」「匸(かくしがまえ/はこがまえ)」「囗(くにがまえ)」「行(ぎょうがまえ)」「門(もんがまえ)」などがあります。

☆参考<部首のワンポイント>
このうち、1では「冷」「凍」の「にすい」を覚えておきましょう。2では「初」が「ころもへん」ではなく「かたな」であるということ、また「和」が「のぎへん」ではなく「くち」であるということを押さえておいてください。3では「空」や「究」に用いられるのは「うかんむり」ではなく「あなかんむり」であることがよく問われます。また、「者」「老」に用いられる「おいかんむり(おいがしら)」、「全」に用いられる「ひとやね」が盲点(もうてん)となります。4では「兄」に用いられる「ひとあし」を覚えておきましょう。「はつがしら」については筆順に注意してください。5では「まだれ」と「がんだれ」の区別をしっかり! 6では「しんにょう」も「えんにょう」も画数3画だということを確認しておいてください。7では、「問」「聞」が「もんがまえ」ではなく、それぞれ「口」と「耳」が意味の中心部分なので部首になるのだ、という知識もよくねらわれます。また、「行」「街」は「ぎょうにんべん」ではなく「ぎょうがまえ」となることに注意。「同」は「どうがまえ」ではなくて「くち」。「医」が「かくしがまえ(筆順にも注意)」といったあたりはちょっと細(こま)かい知識ですが、そのあたりまで押さえておけば、十分だと思います。

☆参考<普連土学園中学校 平成19年度 大設問三>

 次の①~⑩の部首をもつ漢字を用いる熟語を後の語群(ごぐん)から選び、―線部を漢字に直して答えなさい。
①くにがまえ ②れんが ③しめすへん
④りっとう ⑤やまいだれ ⑥たけかんむり
⑦しんにょう ⑧さんずい ⑨こざとへん
⑩おおがい

ハイキン  コクゲン  ネットウ  イト
ヨウキ  イデン  ケッパク  ジュウジュン
シュクジ  ジュウビョウ


・ 第86講 筆順(ひつじゅん)・画数(かくすう)なんてウザい?

 国語の基礎力(きそりょく)を整えるための学習分野は、かなり細かい知識に関するものも多く、実際の社会ではそれほど重視(じゅうし)されない漢字の筆順や画数(かくすう)なんかについても、入試問題では関心が持たれています。難関校の代表的存在である開成中も「様」とか「落」といった漢字の筆順を問うています。将来役に立ちそうにない筆順や画数なんて覚える必要があるの? どうせ筆順なんて文部科学省のお役人が決めたものなんでしょう? なんていわれると「いや、そんなことはない!」とまでは強く否定(ひてい)できませんが、大きな学問の体系(たいけい)を形作るひとつひとつの分野である以上、やはり「きちんと」学んでおくべきだと思います。皆さんがこれから学問(がくもん)を進めていく中で、一見(いっけん)重要ではなさそうな分野が、実は他の分野の研究の土台(どだい)を形作っていることや大きな研究テーマを考えるヒントになっていることに気づくことでしょう。筆順(ひつじゅん)にしても、粘土(ねんど)板に書かれた大昔の人の筆跡(ひっせき)をもとに判明(はんめい)したものもあり、たとえば、いつ頃から書道というものが生まれたのだろう、また筆順というものが意識されたのはなぜなんだろう、などと興味(きょうみ)を持てば立派(りっぱ)な研究対象になります。将来、実生活に役立つかどうかという基準(きじゅん)だけで、学問の重要性は決められないのです。だからこそ、中学(ちゅうがく)入試(にゅうし)においても、この子は選(え)り好みせずに、広い分野を学べることができるかどうかを試すために筆順や画数(かくすう)、部首といった分野を出題(しゅつだい)するのだと思います。

 少々お説教(せっきょう)じみてしまいましたが、普段、皆さんがノートに書いている字のほとんどが正しい筆順にしたがっているものと思ってよいでしょう。なぜなら、もともと「筆順」というのは、人間の手が最も書きやすい(最も字の形を整(ととの)えやすい)書法(しょほう)を基準としているからです。ただし、漢字によっては、たとえば縦(たて)の画(かく)から書く方が書きやすいと感じる人と、横の画(かく)から書く方が書きやすいという人の割合(わりあい)が半々(はんはん)になるような文字もあります。そのような場合には、両方(りょうほう)を認めるか(たとえば「書」という字は大きな筆順辞典ではいくつかの筆順が認められています)、一つに決めるかしなければなりません。後(あと)のような場合、すなわちいくつかの書き方を「一つに決める」場合に、筆順の混乱(こんらん)が生じやすいのです。たとえば、皆さんは「上」という字をどこから書きますか? ひらがなの「よ」と同じように、横の画(かく)から書き始めたいという人もいるのではないでしょうか。でも、正しいとされている筆順は縦棒(たてぼう)からなんですね。このように、自分の自然の書き方と微妙(びみょう)にズレてしまう正しい筆順を集中して覚えていけば筆順はそれほど大変ではないのです。人によって多少の違いはありますがすが、「上」「片」「可」「右」「馬」「局」「希」「医」「座」「飛」「制」「極」「博」「劇」あたりがねらわれやすい漢字です。参考書(さんこうしょ)や辞典以外に、インターネットでも筆順を解説してくれるサイトを利用するのも良い方法でしょう。また画数も筆順の応用ですが、「弓=ゆみへん」「廴=えんにょう」「辶=しんにょう」「阝=こざとへん」が3画、「比=ならびひ」が4画、「糸=いとへん」が6画、「隹=ふるとり」が8画などと代表的な部首の画数を覚えておけば、たとえば、「階」という字の画数なら「阝」+「比」+「白」=3+4+5=12画と簡単に処理できるようになります。必要(ひつよう)最小限(さいしょうげん)の知識を使って合理的(ごうりてき)な勉強をし、「マイナー」とされる分野も堂々(どうどう)と乗り切ろうではありませんか!


 ・ 第88講 漢字の応用力(おうようりょく)を問う問題

 たとえば、Ⅰ生活→ ア → イ →言論(げんろん)、と二字熟語が並(なら)んでいる場合に、アやイにあてはまるものを答えさせるような「漢字のしりとり問題」や、Ⅱ「空」「温」「大」「体」のいずれとも結びついて二字熟語を作れる漢字を答えさせるような「漢字パズル問題」といったものを皆さんも塾のテキストや入学試験の過去問などで目にしたことがあるかと思います。語句の知識問題というよりは頭の回転の速さを試すように思える問題なので、コツコツと漢字を勉強しても、このようなパズル系の問題はなかなか解けないのではないのかと思っている人もいるのではないでしょうか。たしかに、授業や模擬(もぎ)試験などでなかなか答が見つけられず、じれったい思いをしたことがあるかもしれません(ただし、テストの場合は、時間がかかりそうな問題は後回しにするのでしたね/第77講参照)。短(みじか)い時間でこうしたタイプの問題を数多く解いていくためにはある種の「ひらめき」が必要だということはいえるでしょう。ただ、その「ひらめき」というものは、生まれながらに身につけているものではなく、こうした問題を見て「ひらめく」ことができるように、普段(ふだん)の漢字学習に着実(ちゃくじつ)に取り組むことによって得られたものであることに注意をしてください。

 それでは、Ⅰの「漢字しりとり問題」をちょっと見てみましょう。アの二字熟語は「活」から始まるもの、イの二字熟語は「言」で終わるものになることがわかっているわけですから、アは「活○」、イは「○言」という形になるのだと整理することができますね。○はしりとりが成り立つように同じ漢字がきます。ここまでは、すばやく設問の意図(いと)やルールを見抜(ぬ)かなければなりませんが、この後は、どの受験生にとっても全く同じ条件であって、たまたま、うまく答が見つかるということはあっても、何かが突然ひらめいて急に答が見えてくるということを期待(きたい)できないのです。そうです、あとは金庫(きんこ)のダイヤルを合わせていくような地道な作業で「活」から始まる2字熟語、あるいは「言」で終わる二字熟語を知っているだけ問題用紙の余白に書き出していくのです、「活躍」「活動」「活字」「活用」…、それから「公言」「無言」「遺言(ゆいごん)」「文言」…と。そうしているうちに、「活…発」…んっ!? そうか、「活発」が正解だ(他に「用言」でも成り立ちますね)!と、頭の中の言葉のネットワークが連絡(れんらく)しあって、「ひらめき」という形の信号(しんごう)を発してくれます。Ⅱに示した「漢字パズル」でも、「空」「温」「大」「体」の漢字で始まるか、これらの漢字で終わる二字熟語をいくつか書き出していくうちに、「気」という漢字が正解だと気づくわけです。このように、パズル系の漢字問題では、皆さんの頭の中に存在する熟語(じゅくご)や漢字の知識がより多ければ多いほど、またより整理された形で学習されていればいるほど有利(ゆうり)になっていくわけです。ですから、パズル問題を数多く解いて問題に慣(な)れておけばよいとだけ考えてはいけません。むしろ、自分には熟語や漢字についてのどういう知識が足りないのか、あるいは十分に整理されているだろうかということ、すなわち漢字学習のバランスや方法論(ほうほうろん)をチェックするための材料として取り組んでいただきたいと思います(第81講参照)。

 さらに、漢字の応用力(おうようりょく)を高めるためには、複数(ふくすう)の訓(くん)読みや音(おん)読みを持つ漢字を覚えていくという方法も有効です。たとえば、「担」という字には「にな・う」「かつ・ぐ」、「和」という字には「やわ・らぐ」や「なご・む」という訓読みがありますよね。また、「背」には「せ」だけでなく「そむ・く」、「強」には「つよ・い」以外に「し・いる」という訓読みがありました。複数の訓読みがあるということは、ひとつの漢字にいくつかの意味がある、ということを表しているのです(第96講参照)。漢字の訓読みで他に注意しなければならないものとして「送りがな」があります。「危(あぶ)ない」「潔(いさぎよ)い」「失(うしな)う」「営(いとな)む」「行(おこな)う」「省(かえり)みる」「試(こころ)みる」「志(こころざ)す」「快(こころよ)い」「損(そこ)なう」「費(つい)やす」「整(ととの)える」「調(ととの)える」「短(みじか)い」「難(むずか)しい」といったあたりは記述(きじゅつ)問題(もんだい)の採点(さいてん)の際にしっかりチェックされていますよ。

 複数の音読みを持つ漢字についても見てみましょう。「性」という字は「セイ」だけでなく「ショウ」、「言」という字には「ゲン」だけでなく「ゴン」という音読みもありましたね。先ほどの漢字のパズル問題では、どうしてもある漢字の決まった読み方しか頭に浮(う)かんでこないために、ちょっと別の読み方をしてみればすぐにわかるはずの問題がものすごい難問に感じられることもあるのです。たとえば、「性」という字を「ショウ(ジョウ)」と読むことを思い出せば「気性(きしょう)」や「相性(あいしょう)」「根性(こんじょう)」といった二字熟語も候補(こうほ)として挙がってくるのに、「セイ」という読み方で考えていくとこういった二字熟語がひらめく可能性というのはなくなってしまいますよね。これもまた「視点」をちょっと変えてみることの応用といえるかもしれません。
ちなみに、「生」という字にはいくつの訓読みが、「納」という字にはいくつの音読みがあるでしょう? 辞書を片手(かたて)に調べてみても面白いと思いますよ。それ以外にも、小学校で習う漢字のうちで最も画数(かくすう)の多い漢字って何だろう、漢字の「一」や「直」の部首(ぶしゅ)って何なんだろう、と好奇心(こうきしん)を持って漢字を学んでいくことで様々な漢字学習の着眼点(ちゃくがんてん)が得られるのではないかと思います。

このように、文章を読むセンスも、漢字のセンスも、日々の経験と努力によってつちかわれるものであって、一朝一夕(いっちょういっせき)には磨(みが)かれないということなのです。



 以上、一般に「知識系」とひと括りにされる学習単元でも、その獲得方法なりアプローチ手法に目を向けてみると、決して単純なものではないことをご理解いただけたかと思います。また、それぞれの単元は独立した体系性を維持しつつも、他の学習単元とも密接にかかわり合っています。したがって、たとえば「ことわざ」を学ぶ場合であっても、似たような意味を持つ二字熟語や四字熟語に置き換えられないだろうか、また、慣用表現を一般的な語に置き換えるとどうなるのだろう・・・といったように絶えず、隣接分野にまでアンテナを張り巡らせて学ぶことが、強固な言語ネットワークを築いていくものと考えております。


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